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2020/07/13

ベトナム法人と親会社がローンを組む場合の留意点について

こんにちは。須田です。

親会社である日本法人より借入金として資金を受け入れた場合、当該借入金が短期借入金あるいは長期借入金かによりベトナム中央銀行への登録の取り扱いが異なってきます。

1年以内の短期借入金の場合、ベトナム中央銀行への登録は必要ありませんが、四半期報告書の提出は必要となっています。

他方、1年超の長期借入金の場合は、ベトナム中央銀行への登録が必要です。登録後は、四半期報告書の提出が求められます。また、長期借入金の借入限度額は、投資ライセンスに記載してある資本金額と総投資額の金額により規定されます。
 
 

(1)短期借入金

海外から1年以内の短期借入金を受け入れた会社は、中央銀行への報告義務が発生する点にご留意ください。四半期報告書の提出期限は、期末日より5日以内となっております。また、報告違反に関する罰金は、別の通達において5,000,000~50,000,000VNDと規定されております。なお、短期借入金の金額については、後述する長期借入金のように投資ライセンスに記載の金額により限度額が制限されることはございません。
 
 

(2)長期借入金

(a)中央銀行への登録
借入期間が1年超の海外からの借入金やファイナンシャル・リース取引等について、ベトナム中央銀行への登録が必要です。具体的には、金銭消費貸借契約の締結後30日以内に中央銀行への登録が必要となり、登録時の主な必要な書類は次の通りです。

①長期借入金登録申請書
②企業の法的書類の公証版 (外資企業の場合、投資ライセンスの公証版)
③金銭消費貸借契約書の謄本、及びベトナム語翻訳版
④保証書の謄本、及びベトナム語翻訳版

中央銀行によっては、追加資料を要求する場合がございます。登録予定地のベトナム中央銀行に照会されることをお薦めいたします。法的には、中央銀行は申請書類を受領した日から15営業日以内に登録を完了することとなっております。ただし、実務上は、15営業日以上かかるケースがあります。
長期借入金の登録後、中央銀行への四半期報告書の提出が求められます。締切日は、期末日後5日以内となっております。

(b)投資ライセンスとの関係
長期借入金の借入限度額は、投資ライセンスに記載された「資本金額」および「総投資額」の金額に規定されます。法律上、企業は、投資ライセンスに記載された、「総投資額」と「資本金額」の差額が、企業の長期借入金の借入限度額となります。

<イメージ図>  

そのため、投資ライセンスで規定された借入限度額以上の金額を長期借入金として受領することを計画する場合には、まず、投資ライセンスの書き換え手続きを行う必要があります。投資ライセンスの変更手続きに一定の時間が係りますので、余裕をもって計画することをお薦めいたします。

今からベトナムで会社を設立される場合には、資本金と総投資額の差額部分にある程度余裕を持たせておき、将来の資金需要に備えておくことも検討しなければご留意ください。
 
 

(3)外国契約者税

海外からの借入金に対して、海外の債権者に利息を支払う場合、支払利息金額に対して外国契約者税(以下、「FCT」)が発生します。
FCTとは、外国の組織・個人(以下、「外国契約者」)がベトナム国内の組織・個人との契約に従ってサービスを提供した結果、ベトナム国内で発生した付加価値や所得に対して課せられる税金で、法人所得税(CIT)と付加価値税(VAT)から構成されます。

外国からの借入は、まさに外国契約者がサ―ビスを提供した事例に当たります。そして、借入金の支払利息の場合、5%のFCTが発生します。通常、FCTの納税義務者は外国契約者(本件では、日本の親会社です)になります。この場合、取引対価の海外送金後10日以内に、ベトナム法人はベトナム税務当局に対して税務申告及び納税手続きを行う必要があります。

納税漏れになりますと、将来の税務調査で多額の追徴課税が発生する可能性がございますので、FCTの発生する取引につきましては、十分にご留意ください。

長期借入金の中央銀行登録やFCTの計算は非常に複雑です。そのため、税務や会計の専門家にご相談されることをお薦めいたします。

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